霊を信じられずとも
神の思し召しを信ずるならば
忠誠を誓って次の
明るい世界を願いもしよう
ところが猜疑に凝り固まったこの塊は
神の言葉を
飲み込めないでいるのであった
神と霊を信じ込むには先人達から
多少った諸説の壁が
社の前を遮(さえぎ)っている
私には
神仏の豪奢なお堂は
歴史のモニュメントにしか見えない
ならば私が
わたしを意識できるのは
単に記憶の産物なのか
疑問は巡って
行きつ戻りつ
お堂をくぐって後戻りして
自我とは経験の終着点だと
そんな思いつきの説明を
わたしに言い聞かせてみるが
声は空しく
ますます私は
わたしが分からなくなるばかり
